バディファイトRe:B小説 第2話「ついに開幕 SSSカップ」

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第2話
「ついに開幕 SSSカップ

第1話→https://akahebi.hatenablog.com/entry/2020/06/22/131755


観客で埋まった相棒学園ファイトステージに1人の少女の声が響き渡る。
「『史上最強最高ファイター決定戦』略して『SSSカップ』。本日ここ相棒学園で遂に開幕です!申し遅れました。実況は私、『バディファイト界の一輪の花』菜々菜パル子がお送りします!」
その一声で会場にいる観客たちから歓声が上がる。
「今回の大会は、なななんと!時空を越えて集まった最強ファイターたちで計8人で真の1番を決めちゃう大会!全てのファイトが名勝負になること間違いなしです!まもなく開会式が始まります…が、その前に一旦コマーシャル。チャンネルはそのまま!」

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SSSカップ開会式が始まるの数時間前

相棒学園は今、SSSカップの開催に合わせて色々な催し物をして行っている。牙王と友牙たちはそれらを回りながら開会式までの時間を潰していた。
「おい、バッツー。いくらなんでもたこ焼き買いすぎじゃねぇか?」
「うるせぇ牙王。俺様が何を買おうが俺様の勝手だ!」
「牙王、アニキは今日のことをとても楽しみにしてたですん。今日の為にたくさん働いて貯金してたのボク、知ってるですん。」
「ち、ちびパンダ!余計なことを言うんじゃねェ。」
そう言うとバッツは頬を赤らめた。
「それにしても旨そうな物が色々あるなあ。友牙は何か食べたい物あるか?」
「ん~そうだな。あ…だったらオレ、ピザ食べたい。」
「ピザか。屋台でピザを出してる所ってあったかな~?」
牙王は少し考えていると近くの屋台から牙王達を呼ぶ声がした。
「おお!牙王じゃないかぁ!」
「海道!お前も来てくれてたんだな!」
声をかけたのは、牙王と腕を競い合ったこともあるエンシェントワールドの使い手 海道大だった。
「お前ら腹が減っとるじゃろ?ほれ今朝釣ってきたばかりの魚を使ったワシ特製のシーフードピザじゃ!これを食って大会に向けて力を蓄えるんじゃ。」
そう言うと海道は皿から溢れんばかりのトッピングをしているピザを牙王と友牙に差し出した。
「すげー!こんなピザ今まで見たことないぜ!」
海道が作ったピザの迫力に友牙は驚きを隠せなかった。
「ん?牙王、そいつらは…?」
「あー紹介するぜ海道。こいつは未門友牙。未来から来た俺の息子だ。」
「そうかそうか!ハハハハハ!」
海道の問いに牙王が答えると納得したように笑った。
「未来から来たファイターの噂はワシの耳にも入っとるぞ!そうかお前らじゃったか。ワシは今日精一杯2人のことを応援しとるから2人とも頑張るんじゃぞ!」
「海道は選手じゃないのか?」
「残念じゃがワシの所には師匠からの招待状は来なかったからのー。」
「海道の所に招待状が来てないとなるといったいどんな奴が出るんだろうな。」
「そんなこと気にしてもしょうがないじゃろう。それよりも出場出来ないワシらの分まで大会を楽しんでくれ。」
「分かったぜ。じゃあ俺達が海道の分まで全力でファイトしてくるぜ。」
「大会が楽しみじゃのー。祭りじゃ祭りじゃー!SSSカップ祭りじゃー!」
そんな話をしばらくしたあと牙王と友牙は海道の店を後にした。

牙王と友牙たちは海道から貰ったピザを食べる為に近くにあったテーブルに皆で席を囲んだ。
「にしても、友牙が来た驚いたよな。師匠が俺の息子を未来から連れてくるなんて思いも知らなかったぜ。今でもまだ信じられないぜ。」
「オレだってそうだよ。オレもまさかオレと同じぐらいの頃の父さんと会えるとは思わなかったよ。」
「違いねぇ。でもその『父さん』ってやつ未だに慣れないんだよなあ。」
牙王は少し恥ずかしがりながらそう言った。
「でもオレにとっては父さんは『父さん』だしなあ…。」
2人がそんな話をしていたが、ピザが待ちきれないバッツは2人の会話を遮る。
「おい、テメェら何呑気に喋ってんだ。食わねぇなら俺様が全部食っちまうぞ!」
「早く食べないとせっかくのピザが冷めちゃうですん。」
「友牙よ。我らも冷める前に早く頂くとしよう。」
バッツだけでなくちびパンダとガルガも、もう待ちきれない様子だ。
「おー悪い悪い。じゃさっそく頂こうぜ。」

「「「せーの、いただきまーす。」」」

30分後、海道から貰った特製ピザを牙王たちは見事完食した。丁度そのタイミングで大会のアナウンスが相棒学園に響き渡る。
『まもなくSSSカップ開会式が行われます!出場選手と観客の方は相棒学園ファイトステージに集まっちゃって下さい!』
そのアナウンスが終わると会場に向かう為、友牙は立ち上がった。
「大会が始まるみたいだよ父さん。オレたちもそろそろ会場に向かわないと…。」
「…悪い友牙。俺はちょっと寄る所があるから、友牙たちだけで会場には行っててくれ。」
「寄る所?」
「大会が始まるまでには会場に行くから心配すんな。」
「分かった。じゃあ会場で待ってるよ父さん。」
「ああ、会場でな。」
2人は手を振り友牙はファイトステージへ、牙王は会場ではない別の場所へ向かった。

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「お待たせしました!では『SSSカップ』開会式を始めちゃいたいと思います。では早速、主催者のこの方に挨拶して貰いましょう!」
パル子がそう言うとファイトステージの中央にライトアップでぶんぶくの姿が照らし出された。
「レディ~ス&ジェントルメ~ン。ぶんぶく主催『SSSカップ』の開催じゃーーー!」
ぶんぶくの開会宣言で観客たちから大きな歓声が上がった。
「では私の方から今回の大会のルールを説明しちゃいたいと思います!今回はの大会は・・・」
友牙とガルガはその様子を控え室から見ていた。
「いよいよだなガルガ。オレ、今から誰とファイト出来るか楽しみでしょうがないぜ。」
「うむ。対戦相手は直前にならなければ分からぬらしいからな。友牙よ、いつでもファイト出来るように準備しておくのだぞ。」
「分かったぜ。ガルガ。そう言えば父さんはちゃんと会場に着いたかなあ?」
「心配するなとは言っていたから大丈夫であろう。」
「だと良いんだけど…。お、さっそく1回戦の対戦者の発表みたいだ。」
ステージ上のぶんぶくの前にくじ引きの箱が置かれていた。
「ではこの中からカードを取り出し、対戦カードを決めていくぞい!」
そう言うとぶんぶくは箱からカードを取り出した。
「ふむ、1回戦第1試合1人目は…未門友牙!」
控え室の友牙は思わず立ち上がった。
「いきなりオレ達か!テンション上がって来たな!」
「そうだな友牙。だが相手が誰であろうと油断せぬようにな。」
「そうだ。オレの対戦相手は…」
ぶんぶくは2枚目のカードをくじ引きから引いた。
「ほう、これは面白い組み合わせじゃのう。2人目は…」
友牙とガルガの2人に緊張が走る。

加古川ランマじゃ!」


続く