バディファイト小説「伝説のファイター参戦!? 未門 牙王vs神宮時 計」

f:id:akahebi:20200218001308p:plain

「伝説のファイター参戦!? 未門 牙王vs神宮時 計」

崩れゆく超東驚。
その中心であるワールドバディアカデミアのファイトステージで1人、神宮時 計はその景色を見ながら喜びに震えていた。
「いよいよだ。ボクの求めた完璧な世界が生まれる。ボクが…ボクだけが支配する世界が!」

しかしそこに1人、ファイトステージに入ってくる者がいた。
「会長!」
「やはり君か…、未門 友牙。」
「オレたちの町が、学園が、みんなが消えている。これ全部、会長がやったことなのか!?」
「ああ、全てボクのバディであるタイムルーラー・ドラゴンの力を使いやったことだ。この間違った世界をリセットする為にね。」
「こんなことはもうやめるんだ!」
「君もボクの計画を妨げようという訳かい?なら良いだろう。このボクが直接ファイトで消し去ってあげるよ。」

「そのファイト、待って貰うぜ!」

その声の方へ友牙、計、2人とも思わず振り向く。
「父さんッ!?」
「未門 牙王だとッ!?」
そこには、友牙の父である未門 牙王が立っていた。
牙王はファイトステージに入るとそのまま真っ直ぐ友牙の元に向かった。
「父さんがどうしてここに?」
「タスク先ぱ…長官にここに神宮時 計がいるって教えて貰ったんだ。それに友牙、お前もここに向かってるってこともな。」
「そっか!タスク長官も無事なんだな良かった。」
「ではあなたが、未門 友牙の代わりにボクとファイトをしようと言うんですね?」
「ああ、そうだ!オレが友牙の代わりにお前とファイトする。そして、勝ってこの世界の崩壊を止める。」
「父さん…。」
不安を隠せない友牙。
何故なら神宮時 計の強さは以前敗北した友牙が1番分かってるからだ。
それを察してか牙王も友牙に声をかける。
「心配するな友牙。お前の父ちゃんがつえーってことはお前が1番分かってるだろ。」
「…うん! オレ、父さんが勝つって信じてる。」
「話は終わりましたか? ではファイトを始めましょう。」
友牙とガルガはファイトステージの外へ、牙王と計はファイトステージのそれぞれの位置に着き、デッキを取りだし、ルミナイズした。

「炎で闇を焼き尽くし、光で誰かの心を照らす。ルミナイズ、太陽番長!」

「真実の時が終わりを告げ、ここに永遠が完成する。時よ止まれ。ルミナイズ、ジ・エンド・ゼロ!」

「「バディーファイッ!オープン・ザ・フラッグ!」」


「ドラゴンワールド!」

「ゴッドクロック!」

計の頭上に巨大な時計が出現する。

雷帝竜 バールバッツ!」
その声と同時に牙王のバディが出現する。
「フン! アイツらに最強のバディが誰かってことをオレたちが教えてやるぜッ!」

「時の神 タイムルーラー・ドラゴン!」
しかし、計のバディの姿は現れる様子はない。
まるで時が満ちるのを待つかのようだ。

「俺の先攻だ。ドロー、チャージ&ドロー。センターに《雷導師 イナズマック》をコール、ライトにバディコール、俺の最強バディ、《雷帝竜バールバッツ》!」
【牙王ライフ・10→11】
「オレ様がお前をぶっ飛ばしてやるゥ!」
「バッツ、ファイターにアタックだ。」
バッツの攻撃が計に迫る。
しかし、
「クロック-Ⅱ、発動! 静止しろバールバッツ!」
バッツの時だけが止まったかのように全く動かない。
「ボクをぶっ飛ばすんじゃなかったんですか?」
「クソゥ!!」
「だけど、イナズマックの効果でゲージは増やしたぜ。俺はこれでターン終了だ。」

ターンが計に移る。
「ボクのターン。ドロー、チャージ&ドロー、クロック-Ⅰを発動。手札1枚をデッキの下に、そしてデッキの上から3枚を見て1枚を加える。…ハハハッ、やはりボクは完璧だね。」
計は自分の手札を見ながらそう言った。
「《タイムスカウト ランゲ》をレフト、《タイムジェネラル ツァイト・ベルグ》をライトにコール。ランゲの能力でカードを2枚ドロー。キャスト、《クロノス・リヒトムーヴメント》更に2枚ドロー、そして…」
「牙王、来るぞ。奴のバディが!」
「これが、ボクのバディにして新たな世界を創造する神、センターにバディコール!《時の神タイムルーラー・ドラゴン》!」
【計ライフ・10→11】
崩壊が進む暗い空からその姿を現した。
まるでその姿は天使のような純白の竜神だった。
「余は一にして全。人間よ、余の前に立つことを愚かと知れ。」
「さあ、どっからでもかかって来い!」
ベルグ、センターにアタックだ。」
ベルグの剣にイナズマックが貫かれ破壊される。
「続けてファイターにアタックだ。」
【牙王ライフ・11→8】
「ランゲも続け!」
「くっ!」
【牙王ライフ・8→6】
「タイムルーラー、ファイターにアタックだ」
「無力を知れ。人間。」
「うわァ!!」
【牙王ライフ・6→3】
「タイムルーラーには2回攻撃があります。もう1度ファイターにアタックだ。」
「キャスト、《ドラゴンシールド 雷竜の盾》! 効果で1ドローだ。」
「ボクは、これでターンエンドです。」

ターンが牙王に移る。
「さあ!こっから本番だぜ!」
牙王は先程のターンよりも更に力を強くカードを引く。運命を引き寄せるように。
「ドロー、チャージ&ドロー!」
「どんなカードを引こうがボクには勝てない!それがまだ分からないですか!?」
「うるさァい!牙王はいつだって困難を打ち破って来た!今日のこの瞬間も変わらねぇ!お前をぶっ倒してそれを証明してやるゥ!」
「そうだなバッツ。見せてやろうぜ。俺たちバディの絆の強さって奴を!」
「ッ!」
そして牙王は1枚のカードを掲げる。
「俺の最強バディここに降臨!《雷帝竜 バールバッツ》を《雷帝覇王 バールバッツ・ドラグロイヤー》に進化だ!!!」
バッツは激しい光に包まれその光に思わず計は顔を隠す。
そして光が消え、そこには白い鎧を纏ったバッツがいた。計は、その力が自らのバディであるタイムルーラーにも匹敵すると察した。
「これが伝説のファイターの力なのかッ。」
「牙王ゥ、このファイト当然『アイツら』の出番もあるんだろ?」
「ああ、当然だぜ。装備、《竜牙雷帝剣 バル×バンカー》。キャスト、《ドラゴニック・チャージ“プラス”》。ゲージ5プラスするぜ。更に《雷帝の伝令》を設置。」
【牙王ライフ・3→1】
牙王は準備を整え『2体目』のバディを呼び出す。
「待たせたな。レフトにコール《超武装天竜 ドラムバンカー・ドラゴン》!」
「どうやらオイラの力が必要みたいだな牙王。」
「頼むぜドラム。」
「オイラのドリルでセンターに風穴を空ける。そういうことだろバッツの大将。」
「へっ、分かってんじゃねぇかドラム。」
「《雷帝覇王 バールバッツ・ドラグロイヤー》!大!逆!天!!」
「大逆天だとッ!?」
雷帝覇王 バールバッツ・ドラグロイヤーの大逆天は、手札1枚を捨てることでデッキから雷帝軍のモンスターをコールし、俺のカード全てファイト中攻撃力+1万、打撃力+1する。来てくれ! センターにコール《雷帝太陽竜 バルドラゴン》。」
そう牙王が叫ぶと牙王の『3体目』のバディが現れた。
「バル頑張る!牙王、ドラム、バッツとまた一緒に戦えてバルとっても嬉しいバル!」
「俺も嬉しいぜバル。俺たち全員で、タイムルーラー・ドラゴンを倒すぞ。」

その光景をステージの外から見ていた友牙はその思いをガルガに語っていた。
「スゴいな父さん。あんなスゴいモンスターたちとバディを組んでたんだな。」
「それは違うぞ友牙。お前の父は優れたモンスターたちとバディを組んだのではない。」
「どういうことだガルガ?」
「そもそも元から優れたバディなど存在しない。バディとは互いに助け合い、認め合い、成長し、そうしたものが優れたバディになれるのだ。」
「そうだなガルガ。オレたちも父さんたちみたいになれるかな。」
「我と友牙ならなれるきっとなれるだろう。その為にも今は、お前は父の勇姿を見届けなければな。」

『3体のバディ』を揃えた牙王が攻撃の体勢に入る。
だが、
「あまり調子に乗らないで下さいよ。未門 牙王!! タイムルーラーの能力発動。相手の場のカード1枚を能力を無効にし、デッキの下へ戻す。目障りなバールバッツにはここで退場して頂きましょう。」
計がそう宣言するとタイムルーラーが自身の杖をバッツに向け、狙いを定める。
「哀れな覇王よ。余の前から消えるが良い。」
「そうはさせねぇぜ。俺は《雷帝の伝令》の能力を発動。バッツが場を離れる代わりにこのカードをドロップに送り、バッツを場に残す。」
イムルーラーの杖から放たれた攻撃を《雷帝の伝令》が防ぐ。
「助かったぜ。牙王ゥ!」
牙王がバディたちに攻撃の指示を出す。
「バッツ、センターにアタックだ!」
「今度こそぶっ飛ばしてやるゥ!」
バッツの剣がタイムルーラーに迫る。
だが、その剣はタイムルーラーの目の前で止まった。
「ボクはベルグの能力を発動。ゲージ1を払い、バールバッツの攻撃を強制終了させる。」
「頼むぜバル。タイムルーラーにアタックだ。」
「任せろバル。」
「何度やっても無駄ですよ。ベルグの能力でバルドラゴンの攻撃を強制終了です。」
バルの剣もタイムルーラーには届かない。
「バルの能力を発動。戻ってこい。バル!」
「分かったバル。」
牙王はバルの効果を使いバルを手札に戻した。
そして自身のセンターを空ける。
「これで分かったでしょう。あなたたちでは、ボクのタイムルーラー・ドラゴンに傷1つ付けることは出来ない。」
「そいつはどうかな?」
牙王、ドラム、バッツは連携攻撃の体勢に入る。
「《超武装天竜 ドラムバンカー・ドラゴン》!逆!天!!」
「ッ!今度は逆天か!?」
「俺と連携攻撃する時ゲージ1を払えば、ドラムの打撃力は2プラスされ、その攻撃力は∞(むげん)となる。ドラム! バッツ! 行くぞ!」
牙王、ドラム、バッツがタイムルーラーに迫る。
「だがボクには、《クロノス・シン・ブロックエンド》がある。これでアタックフェイズを強制終りょ…
「させねぇぜ。ドラムの逆天はこのアタック中相手の対抗を封じる。更にドラムはバトル相手の能力を無効にする!」
「何ッ!?」
「言ったはずだぜ。俺たち全員で倒すって!」
バッツがタイムルーラーに剣で斬りかかり、タイムルーラーは杖でそれを受け止める。
「哀れな覇王よ。抗うことが無意味と何故分からぬ。」
「ゴチャゴチャうるせえィ!時計野郎!大人しくくたばりやがれェ!」
バッツがタイムルーラーを抑えこむ。
「今だァ!牙王ゥ、ドラムゥ!」
牙王とドラムがバッツの背後から飛び出す。
「尚も余に抗うか。」
「竜牙雷帝剣 バル×バンカーァァァ!」
「ドリル・ラム・バンカーァァァ!」
牙王たちの攻撃がタイムルーラーを貫いた。遂に計のバディ、タイムルーラー・ドラゴンの破壊に成功する。
そして、
「「貫通だ!!」」
ドラムとバッツの貫通ダメージが計を襲う。
「うわァァァ!」
【計ライフ・11→2】
「バッツ、ファイターにアタックだ。」
「キャスト、《クロノス・シン・ブロックエンド》。アタックフェイズを強制終了させる。これであなたの攻撃も終わりですよ。未門 牙王。」
「まだだぜ。俺たちにはまだこれがある。キャスト、《バッツ×リンク》。デッキの上から3枚を見て1枚を手札に加え、残りはゲージに置き、ライフ1プラスできる。」
【牙王ライフ・1→2】
山札カードが1枚ずつ牙王の元へ向かう。

1枚目《補給員 ペンタ》

(違う。このカードじゃない)

2枚目《世界を繋ぐ壱の鍵 ドラゴウーノ》

(このカードを使えば確かに次のターン、神宮時 計の攻撃を凌ぐことができる。でも、今の俺に必要なのは『負けない方法』じゃない。『勝つ方法』だ!)

3枚目のカードが牙王の元に向かう。

「オイラたちのバディは常識を打ち破る人間だ。」
「牙王なら絶対奇跡を起こせるバル!」
「引けェ!牙王ゥ!!」


3枚目…。

ファイトステージ全体に緊張が走る。

「ッ!」

そのカードを見た牙王に迷いは無かった。
「ファイナルフェイズ!!」
「まさか本当に引き当てたと言うのか!?」
「キャスト!」
牙王のその声と共に、巨大な剣が自身の鎖を破り、ファイトステージに出現する。

「必殺!ガルガンチュア!パニッシャァァァーーーー!!!」

その大剣は計の頭上に振り落とされ、その衝撃と爆煙がファイトステージ全体に広がる。
しかし、その衝撃はファイトステージの外にいる友牙たちも例外ではなかった。
「友牙。しっかり我に捕まるのだ。」
「すげぇ衝撃。これが父さんのガルガンチュア・パニッシャーの威力…。とんでもないパワーを感じる。」
「まさか、我のパニッシャーの後継者がここまでの実力とは…。」

巨大な剣が消え、少しずつ煙も晴れていく。
「これで会長のライフは0。父さんの勝ちだ。」
父の勝利に喜ぶ友牙は大きく身を乗り出した。
しかし、そんな友牙に何かに気がついた様子のガルガは声をかける。
「待て友牙!あれを見ろ!」
ガルガが指を指した先にそこにはあるはずもない物だった。
爆煙の隙間から『ゴッドクロック』が出現した。
「そんな、なんで『ゴッドクロック』が…、会長のライフは0になってファイトは終わってるはずだろ!?」

更にそのフラッグの下からふらつきながらもまだそこに立っている『神宮時 計』の姿があった。
「…フフフ。ハハハハハハァーー!危ないところでしたよ。未門 牙王、流石は伝説のファイターと言ったところですね。」
「神宮時 計ッ!」
牙王も動揺を隠せず思わず歯ぎしりする。
「ボクはあなたの《ガルガンチュア・パニッシャー!!》が決まる直前に、手札の《タイムジェネラル トゥボカス》の能力でライフを回復していたんですよ。」
【計ライフ・2→5→1】
「ではそろそろ、このファイトの幕引きとしましょう。クロック-Ⅲを発動。復活せよ、タイムルーラー・ドラゴン。」
センターに先ほど倒したはずのタイムルーラーの姿が現れる。
「余の行いは絶対なり。愚かな人間よ。裁きを受けよ。」
今の牙王にこのモンスターを倒す手段はもう残されてはいない。
「俺のターンは終了だ…。」
「そしてこの瞬間、ゴッドクロックの能力発動。タイムルーラー・ドラゴンをドロップゾーンに送ることでゴッドクロックは真なる姿を見せる。降臨せよ!《 真なる時の神 ジ・エンドルーラー・ドラゴン》!」
イムルーラードラゴンがゴッドクロックと1つとなり先ほどの神々しさは消え、禍々しく邪悪な竜神の姿がそこにはあった。

ターンが計に移る。
「ボクのターン。ドロー、チャージ&ドロー。さて、これで準備が整った。ボクのバディの更なる進化を遂げた姿を見せてあげますよ。」
その発言に友牙とガルガは大きく動揺した。
「更なる進化だって!?」
「奴のバディ、ジ・エンドルーラー・ドラゴンは更に進化をすると言うのか。」
計は手札から1枚のカードを手に持った。

「これが世界を0に戻し、世界を創造する神を越えた存在。リターン・トゥ・ゼロ、《オーバーゴッド“0”(レイ)》!!!」

その瞬間、ジ・エンドルーラーが姿を変え…いや、『姿を消していった』。
そして計の頭上にゴッドクロックが再び現れた。
「会長のバディが消えた…。」
「ボクは今世界を0に戻したんだよ。そして今から新たな世界を創造する。」
「いったいどういう…。」
その瞬間ゴッドクロックの中心部分に亀裂が生じる。その奥には宇宙のような広い空間が広がっていた。
そして、その空間から亀裂を突き破るように計のバディが姿を現した。
イムルーラー、ジ・エンドルーラーとは比較にならないほどの圧倒的存在感をそこにいる全員が瞬時に理解した。
「余は全ての理を越えた存在なり。人間よ、モンスターよ、世界よ、全て余に従え。」
「これが会長のバディの進化した姿。」
「ただならぬ力だ。これはもはや我ら神々の力をも越えている。」
「キャスト、《クロノス・パワーリザーブ》。ゲージ5プラスします。そして、《オーバーゴッド“0”》の能力『永遠の時』発動。手札6枚とゲージ6を使い、ターン終了まで相手の場のカード全てとファイターの時を止める。」
その瞬間、バッツたちの動きが全てが止まってしまった。
「バッツ! バル! ドラム!」
「時を止められた中でもまだ動けるとは…。それも『フューチャーフォース』の力ですか?ですが、ボクがその力ごとあなたを消し去ってあげますよ。」
「父さん!!」
「友牙…。」
「オーバーゴッド“0”、未門 牙王にトドメをさせ!」
「人間よ。余に逆らった己の愚かさを後悔するが良い。」
オーバーゴッド“0”が牙王に狙いを定める。そして、計の声と共にその攻撃を牙王に放った。
「リビルディング・ザ・タイム!」
「うわァァァーーー!!」
【牙王ライフ・2→0】

ファイトが決着し、友牙は思わず倒れた父の元に駆け寄り、ガルガはそれが追う。
「父さん!」
「待つのだ。友牙!」
「父さん、しっかりしてよ父さん!」
「すまねぇ…友牙、負けちまった。へへ、父ちゃんのカッコ悪いとこ見せちまったな。」
「そんなことない。父さんはめっちゃカッコ良かった! 俺もあんな風になりたいって思ったんだ。だから!」
「それは良かったぜ…。友牙の前で良いとこ見せてやれないとカッコ付かないからな。うッ!!」
「父さん!?」
その時、牙王の体が光り出し少しずつ体が透けていった。
その光景を見ていた計が友牙に語り出す。
「未門 友牙、君に良いことを教えてあげよう。ボクのオーバーゴッド“0”はあらゆる時を操る神を越えた存在だ。その攻撃を受けた者は、あらゆる時の外側へ永久に追放される。そう、消えて無くなるんだよ。」
「そんな…。」
自分の父が目の前で消えることを告げられ動揺する友牙。
しかし、牙王はそんな友牙に話しかける。
「友牙、お前に渡したい物がある。」
「オレに?」
牙王は自分のデッキから1枚カードを取り出し友牙に渡した。
「ッ!? これは、父さんの《ガルガンチュア・パニッシャー!!》!?」
「お守りだ。きっとお前を守ってくれる。」
「オレ嫌だよ。父さんが消えるなんて。」
「神宮時 計を止められるのは、お前だけだ。」
「でも、オレ…。」
「神宮時 計はお前のダチだろ?だったら間違った道に行っているあいつに、おい、そっちは違うぜと言ってやるのが本当のダチであるお前のやるべきことなんじゃねぇのか?」
「ッ!?」
「大丈夫だ。お前は俺の息子なんだからな…。」

そう言った瞬間、牙王を包む光が強くなり、父を抱いていた友牙の腕が空を切る。

「父さーーーーん!!!」

そして、友牙の手には父から託されたカード《ガルガンチュア・パニッシャー!!》だけが残されていた。

「ハハハッ! 良いものを見せてもらったよ。美しい親子愛ってやつをさァ!でも安心するといい。 君もすぐに父親と同じ場所に連れて行ってあげるよ。未門 友牙。」
友牙は静かに立ち上がる。
「友牙…。」
ガルガは友牙を心配し声をかける。
その声に友牙が答える。
「ガルガ、正直オレ、世界の終わりとか時代を作り変えるとかよく分かんなかったんだ。」
友牙の意外な一言にガルガが眉を細める。
「でもな、バディファイトで関わった学園のみんな、ライバル、親友、父さんとの思い出を無かったことになんてやっぱり出来ない!」
その一言に安心したのかガルガから笑みが零れる。
「会長はきっと、バディファイトの本当の楽しさを忘れているだけなんだ。だから、『遊びの神』のオレがバディファイトの本当の楽しさを思い出させてやるんだ! 付いて来てくれるか!? ガルガ!!」
「心得た! 友牙が決めたことであれば我も友牙と共にどこまでも行くぞ。」
「サンキュー、ガルガ…。」
友牙とガルガは、最後の決戦の決意を決め、計の方へ向いた。

「どうやら、ボクに消される覚悟は出来たみたいだね。」
「会長! オレとガルガがバディファイトの本当の楽しさってやつを教えてやるぜ。」
「バディファイトの楽しさ?そんなもの、どうでもいいことだよ。勝敗の前ではね。では始めようか。この世界をかけた最後のバディファイトを!」

互いに己の覚悟を胸にデッキを取り出し、ルミナイズした。

「神を極めし無敵のドラゴン、ここに降臨! ルミナイズ、アルティメット・神ドラ!」

「真実の時が終わりを告げ、ここに永遠が完成する。時よ止まれ。ルミナイズ、ジ・エンド・ゼロ!」
 
「「バディーファイッ!オープン・ザ・フラッグ!」」


続く



あとがき

こんにちは、赤蛇です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。(圧倒的感謝)
今までブログでは新カードの考察やデッキレシピ等を書いてましたが、今回は人生で初めて小説というものに挑戦してみました!
今回の小説は僕の妄想と妄想と妄想で書いているので漫画のストーリーと全く違うと思うのでそこら辺は温かい目でお願いします。m(_ _)m
あと小説素人なので、もしかしたら読みにくいなあって部分もあったかもしれません。あったら許せ!無かったら誉めろ!チヤホヤされたい!
とまあ、冗談は置いといて(笑)
今回の話は僕が考えた神バディファイト2期の最終決戦前をテーマに書きました。
書こうと思ったきっかけはYouTubeの公式のチャンネルにupされている友牙vs計のボイスドラマです。

動画はこちら→ https://youtu.be/yFU_XtYzmvw

この動画が好きすぎて毎日何度も観てます。と言うか観ろ!舐めるように観ろ!
動画を観ながら毎回、「あーアニメで観たかったなあ。」「この続きはよ上げろ公式。」など思っていました。そしてある時、

「オレ、いいこと思い付いちゃった♪ 無いなら作れば良いじゃん(笑)」

そう思って書き始めました。
個人的に1番書きたかったのは、ドラム、バル、バッツが同時に出て共に戦う光景です。
4.5期のアニメでも共闘こそしてましたが3体同時に場に出ると言うことは無かったのでそれが書けて僕は満足です。(ちびパンダは犠牲になったのだ)
あとは、牙王と友牙の関係です。
牙王は友牙を守り、友牙はその背中に憧れを抱く。
そういう親子愛って良いなあって思います。
今回計くんも登場させたんですが、良いよね計くん。魅力的なラスボスキャラって感じで大好きです。キョウヤくんと似たカリスマ性を感じる。
逆に1番苦労したのはタイムルーラーの台詞ですね。アニメに出てないキャラな上、タイムルーラーの資料がほとんどカードのフレーバーテキストのみだったのでキャラを固定させるのに苦労しました。
「余は一にして全。余は全てを統べる神なり。」
は?何言ってんだこいつ。日本語話せ。

そして、この話の続きの友牙vs計ですが、この牙王vs計の話より前にストーリーの展開はだいたい考えているので、あとは細かいファイトの内容や台詞等を足していく作業です。時間とモチベがあるときに少しずつ書いていこうと思うので、楽しみに待って頂けるととても嬉しいです。
「僕の見たかった神バディファイト最終回はこれです」みたいなものを書けたらなと思います。
今回の2倍ぐらいの量?なので前編後編に分けて書くつもりです。

それではまた次のブログで!


原作 フューチャーカード バディファイト

https://fc-buddyfight.com